古い映画のパンフレットから

年初めに続いた大きな災害に比べたら大したことではないとしか言えないが、個人的にも年末から残念な出来事が相次いだ。 ようやく前を向き始めたころ、wifeと仕事で長く親交のある自分の古い先輩から懐かしいメールを受け取った。 その先輩とは大学院生のこ…

男たちの旅路

山田太一が亡くなった。 山田太一はTVドラマの脚本家として最も好きだった人だった。 いわゆる流行脚本家になった後は、セリフに癖があるなど、批判されることも多かったが、その作品には圧倒的な魅力があった。 僕が山田太一の作品を好んで見ていたのは多分…

メモリーグラス

金曜日に小さな知らせがあり、6月からの長い懸案が少しだけ前に進んだことが分かった。 この夏から秋にかけて、ずいぶん時間を使い、心の余裕もなかったが、ようやくあと一頑張りと言ったところ。 結果はどうなるかはもちろん分からないが。 8月5日にあっ…

T先生のこと

昨日朝歩いたいつもの道が、朝にも関わらずかなり日差しが強かったので、今朝はいつもの休日どおりに家を出、いつもとは違うルートで1時間半ほど歩いた。 8時過ぎにパン屋に入り、週末の恒例となった朝食のパンを食べる。 これまでの道と歩数はそんなに変…

見知らぬ知り合い

朝、歩き始めてほぼ1年になる。 wifeと一緒に歩いていると、自然と知り合いが増えていくので、wifeがラジオ体操に行く日に自分一人で歩いている時まで、毎日すれ違う人たちと挨拶を交わすようになってしまった。 人見知りがちな自分の性格に反して朝挨拶を…

3つの場所での新たな生活

4月がもう終ろうとしている。 30年を越える長くなじんだ仕事の場に一定の区切りをつけて、4月から3つの場所で新たな生活が始まった。 月に4日ほどを千葉でも過ごすことになったので、千葉ライフを楽しもうと色々工夫を始めた。 通常は宿舎での寝泊まり…

再び原点から

15年ぶりという佐伯祐三展を見るため、東京駅に向かう。 3月初めの最終トークの際に、僕が佐伯祐三を好きなことを話したこともあって、その後Tさんが、東京で今正しく展覧会が開催されているという情報を教えてくれたのだ。 それこそ研究者を志す前からそ…

古い写真

最後のトーク以後、年度末のプレゼンが何度も予定されていて、それに出す事前の資料の作成などに追い回されていた。 3月末の年度の終わりまで、少なくとも予定されているショートやロングのプレゼンの機会が4回ほどあることになっていた。 先週末その発表…

これも純粋ですか?

2月の終わりごろ、5年間続けてきた研究仲間の報告会で松江に行った。 その初日のミーティングの後の懇親会の際、最近同僚のSさんに僕が何かを言おうとすると 「もうお腹いっぱいです」 と聞いてももらえない、という話をした。 おまけに、家でそのことをwi…

朝のカレーパン

この年末は、荷物の多さもあって車で関西に移動した。 wifeが着物を着るために着物の小道具一式を持ち帰ったこともあるが、普段より荷物が多かった一番の理由は、なんといっても、それぞれが朝のウォーキングに使っているウエアやシューズの一式を持って移動…

4年後の旅

朝、ゴルフに向かうwifeと一緒に家を出て、早淵川沿いを歩く。 久しぶりの一人でのウォーキングということもあり、すこし足を延ばして246との合流点まで歩くことにした。 5月の連休後から始めたウォーキングだが、途中出張でフランスに滞在していた時期を除…

心の風景

ここの所、毎朝wifeと朝6時半から6時40分ごろに家を出て40分ほどウォーキングをしているので、wifeは朝欠かさず見ている朝ドラの再放送の録画を予約していて、そのうえで家を出るのが日課になっている。 再放送の朝ドラというのは、田辺聖子の自伝的小…

すべて形から

先週土曜日に島根にいるN君とZoomで話をしていて、N君がここ1年ほど朝ウオーキングをしているということを聞いた。 歩き始めて以来、10kgちかく体重が減ったそうで、実際Zoomで話していても何となく以前よりスリムに見えた。 話を聞きながら、そういえば…

ハイブリッド

昨日wifeの研究室の同窓会がハイブリッド形式で行われて、今年の年度末の行事がすべて終了した。 昨年は、コロナのこともあって年度末のうちの研究室のイベントはすべて中止になった。 今年度、うちの研究室では、秋に予定していた恒例のBBQパーティを2年連…

「どこでもポケット」のようなカバン

新しい年が始まってもう10日が過ぎた。 今年の年末年始は久しぶりに車で帰省。 直前に雪が心配になり、急きょ冬用タイヤを中古で買うなど、一応万全の準備をして臨んだのだが、案の定、行きは、その前の雪が結構残っていて、10時間以上かかって到着。 科…

幸せのおすそ分け

10月初めの日曜日の朝、自分の部屋で仕事をしていたらwifeの叫び声が聞こえたので、急いでリビングに行くと、何やら観葉植物の鉢を指さし、 「何これ!」 「気持ち悪い!」 とwifeが何度も叫んでいた。 よく見るとキノコのようである。 とてもきれいな黄色…

山路きて何やらゆかしすみれ草(ぐさ)

昨日、今日と週末から始まった学会にオンラインで参加しながら、研究費の申請書の作成と、資金集めのための準備をする。 夏に母の納骨が終わってちょうど一か月経ち、行く道を失ったようにもがいていた夏のころに比べるとようやく視線が定まってきた。 とは…

母との付き合い

先週火曜日に母の容態がかなり悪いという知らせを弟から受け、お世話になっている老人ホームに電話をかけた。 木曜日にそちらに伺いたいので面会ができないかというお願いをするためだった。 施設長と相談して明日朝電話をしますとのこと。 次の日、許可を知…

エアチェックの時間

先週始めてから9年になる仕事が、ようやくアクセプトされた。 9年前ちょうど研究室に入ってきたA君のテーマとして出したのが発端で、A君が修士を卒業した後、Iさんに仕事を引き継いでもらい、ほぼIさんのサブワークとして研究を続け、ようやく形にしてもら…

マスカット

「2足のわらじ」が始まって、4月は2本目の足の立ち上げと研究費申請の準備で慌ただしい時間を過ごした。 28日に担当課に概要の説明を行ったことと連休に入ったことでちょっと一段落し、はやる心が少し落ち着いたような気がする。 4月の山梨での講義や…

嵐の中、10年の船出

1月初めに母がデイサービスから老人ホームに移った。 母は今年91になる。 老人ホームはやはり色々サービスは充実しているようで、これまでにはできなかったことだが、ビデオ通話で外部との交信ができると、弟から聞いた。 ただし、通話するにはラインに加…

やがて来る(実はもう来ている)老いを生きる

先週木曜、マンションの入り口で郵便箱を覗くと、珍しく手紙が入った縦長の封筒が二つ並んでポストに入っていた。 手紙をもらうというのはめったにあることではないが、それが同じ日に重なったというだけで、封を開けるのもなんだか緊張した。 北海道からの…

大きな年を迎えて

緊急事態宣言とともに開けた新しい年。 新年最初の連休は巣ごもりというよりも、週明けの大事な面談の準備に追われた。 母の入院もあって、里帰りしても面会することもできず、結局大阪に帰ることなくこの年末年始を暮らす。 もともと関西への行き帰りをゆっ…

託す思い

年末へ向けての慌ただしい仕事の波がすこしだけ和らいだ。 昨日夢に出てきた親しい友に元気ですかとメールを書く。 勝負の3週間が過ぎても第3波の波は一向に収まらず、暮れに予定していた帰省もあきらめざるを得ない状況だ。 一方で、生活面でも研究面でも…

憧れ

現在の大学で職を得るまで、僕は4つの大学、2つの研究機関を転々と渡り歩いてきたのだが、自分の研究者としての原点となった神戸の大学の恩師がこの春に亡くなっていたとの知らせが、10月終わりに研究室の先輩から届いた。 その研究室は、おそらく当時の…

オンラインBBQ

今年は例年行っている11月初めの研究室のBBQパーティもオンラインでの開催となった。 9月に参加した学会でオンラインのソーシャルコミュニケーションツールがいくつか使われていたので、その一つを個人的に契約して11月にいくつか行う予定のイベントに…

一つの到達点

昨日、16年以上に渡ってずっとオーガナイザーとして関わってきた学生イベントの最終回が行われた。 世界中を吹き荒れるコロナ禍の影響で、その最後のイベントも対面で行うことができなくなった。 それでも、大学に入ってきたばかりの学生たちとって、その…

一つの番組の再開について

長年やってきた学生発表会のプロデュースの仕事が今年で最後となったのだが、残念ながらいつもの形で開催することができなくなってしまった。 すこしでも学生に気分よく発表してもらおうと審査員の人選びなどに時間をかけている。 それ以外の大学の仕事にも…

強い無念さと限りない喪失感と

木曜日、家に帰って、何気なくリビングのテーブルに目をやると、 机の上に先日亡くなったM先生からの葉書が置かれていた。 どこかの郵便局に泊まっていて、今ようやく届いたのか、、 と思わず自分の目を疑ったが、wifeが、しばらく前の手紙やはがきを整理し…

PS. I ..

どこへも行けないお盆の時期が過ぎて、ただ忙しい日常が戻りつつある。 もちろん、戻った先の日常は制限ばかりの毎日ではあるが。 昨日の土曜日は、午前中、9月1日締め切りのM省への書類をまとめてメールで送り、その後、午後からIさんとA君がまとめた実験手…