一つの番組の再開について

長年やってきた学生発表会のプロデュースの仕事が今年で最後となったのだが、残念ながらいつもの形で開催することができなくなってしまった。

 

すこしでも学生に気分よく発表してもらおうと審査員の人選びなどに時間をかけている。

 

それ以外の大学の仕事にも振り回されて消耗し、少し一段落しようとぼんやりTVを眺めていたら聞きなれた音楽が流れてきた。

 

しばらくTVにくぎ付けになった。

 

 MCの一人が突然亡くなったため中断していた番組が再開したのだ。

 

新しい番組はその亡くなったMCの友人がMCを務めていて、以前からのもう一人のMCとの掛け合いには亡くなったMCへの愛が溢れていた。

 

番組全体が持つ暖かい雰囲気と番組で紹介される海外の様々なユニークな「もの」に引かれて長く見ていたのだが、再開されたその番組をみながら、すこしだけ、救われたような気持にもなった。

 

俳優であるその番組MCの死がどのような理由だったかはわからないが、このコロナの世界の一つの象徴として少なくとも僕自身に(おそらく多くの人にも)暗鬱な影をもたらしていたと思う。

 

初めてかどうかは知らないが、その再開後最初の番組はライブで流され、しかもリアルタイムで視聴者のたくさんのコメントが流されていた。

またそのコメントは番組への深い愛に溢れていた。

 

やり残している多くの研究を何とかやり切りたいと、可能な限りの努力を色んな所にぶつかりながらもなんとか続けている自分には、自ら死を選ぶということにすぐさま共感できる状況に入っていくことは、少なくとも今はないのだろうと思う。

 

ただ、そんな自分にもこの番組のこのような形での再開は、とても嬉しい出来事の一つになった。

 

この先、どう展開するのか、見続けていたいと思う。