一つの到達点

昨日、16年以上に渡ってずっとオーガナイザーとして関わってきた学生イベントの最終回が行われた。

 

世界中を吹き荒れるコロナ禍の影響で、その最後のイベントも対面で行うことができなくなった。

 

それでも、大学に入ってきたばかりの学生たちとって、その状況の中でも何とか彼らのポテンシャルを最大限に発揮できる場所を提供したいと考え、ずっと準備を進めてきた。

 

その片方、自分にとって最後となるこのイベントをいつも通りの対面で行えないのかという思いが何となく心にあったことも事実である。

 

いわば裏腹だったそのような思いとは全く逆に、昨日は過去のイベントの中でも、内容的にも新しさの点でも最高のイベントになった、と思う。

何よりも感謝したいのは、関係するすべてのプレイヤー(学生、教員、運営スタッフ、当日の審査員など)が、それぞれ自分の持ち場で最高のパフォーマンスを発揮してくれたことだ。

 

まずは学生にすべてをゆだねてみること

そしてそれを可能にするために最大限の場を用意すること

 この考え方が、このイベントの最大の特徴であり、一貫して自分を支えてきた思いである。

 

多分言うまでもなく、このやり方が多くのリスクを伴うことは自明であり、それはこのシステムの最大の弱点でもあった。

 

正直に言えば、多くの先生にとって、好きか嫌いかがはっきりと分かれるプログラムだったと思う。

 

その前提の中で、16年に渡って少しずつ課題を改善しながら進化してきた一つの到達点が、昨日のイベントになったのだろう、と思う。

コロナに対する強い危機感が、却って学生や教員のこのプログラムへの注力を強くしたとも感じている。

 

来年からこのプログラムに代わる新しいプログラムがスタートする。

 

異なる枠組みの中で、ぜひ新たな進化を遂げてほしいと思う。