エアチェックの時間

先週始めてから9年になる仕事が、ようやくアクセプトされた。

 

9年前ちょうど研究室に入ってきたA君のテーマとして出したのが発端で、A君が修士を卒業した後、Iさんに仕事を引き継いでもらい、ほぼIさんのサブワークとして研究を続け、ようやく形にしてもらった。

 

ちょうどその年に出た1つの論文から着想して始めた仕事で、極めて基盤的な仕事なのだが、その論文との関りもあって思い入れの深いテーマだった。

 

アクセプトされた第一の理由はIさんの地道な踏ん張りによるところが大きいが、僕としても、駆け出しの研究者の時なら、同じ状況ではなかなか形にできなかった仕事だったと思う。

最初の着想にあった形で纏められたのは、その過程で卒業生のOさんがたまたま見出した貴重な発見を成果に取り込めたことも大きかったと言えるだろう。 

 

さて、これからどれだけの研究を世に送り出せるだろうか?

自分の純粋な研究者としての寿命がもう限られていることを考えると、今まで以上に一つ一つかみしめながら仕事をまとめたいという気持ち。

 

 

半分衝動的に、半分本気で上白石萌音が新しく出したCDを買った。

 

70年代から80年代ぐらいにかけての歌のカバーアルバムだが、先日TVでスターダストレビューの古い歌がそこでカバーされているのを知り、元歌とは全く異なる雰囲気ある曲に仕上がっているのを聞いて、アルバムに手が伸びた。

 

今、当時の日本のポップミュージックが、様々な形で改めて注目を浴びていると聞くが、ほんとに恵まれた時代だったのだと思う。

 

メーキングDVDにカセットレコーダーが出てくるのを見て昔の自分を思い出した。

 

ラジオを聴きながら、カセットレコーダーのスイッチに手をかけて曲が始まるのを待ち構え、一体何曲録音しただろう。

そのために膨大に消費した自分の時間も、自分にとっては結構大切な時間だったかもしれないとも思う。

 

まあ、勝手な思い過ごしかも知れないけれど。