母の日の前に

朝研究室へと急ぐ構内の道の途中で、Kさんと奥さんに出会う。

 

山梨で病院に尋ねたお礼もあって退院直後のこの機会に奥さんがわざわざ車いすを押して研究室に訪ねてくれたのだという。

 

ずいぶん痩せてはいたが、車いすに座ったKさんとその傍らの奥さんの顔は輝いて見えた。

 

急がずに少しずつ体を戻してほしいと願う。

 

今年もたくさんの来客があった研究室公開の初日を終え、夕方から見始めたNさんの論文を最後まで見終えてから研究室を出た。

 

先週までの連休の後半は、4日から2回目の関西行きで実家に帰った。

 

新幹線の途中、wifeがせっかくだからとどこかに連れて行くことを提案し、車中から実家近くのレンタカーショップに電話を掛けた。

 

幸い2件目で1台だけ車があることを聞き、急ぎレンタカーを予約する。

 

帰り道の道中、レンタカーショップによって車を借り、そのまま母のいるデイケアへと直行する。

 

新幹線で東大寺車いすで入れることを知り、東大寺に行くことを決めていた。

デイケアを出た時は4時半を回っていたが、そのまま奈良に向かった。

 

この連休、京都に人の足が向いていないことは聞いていたが、奈良もそうだったのだろうか、結局ほとんど道も込まず、17時過ぎに東大寺に到着。

少し離れた駐車場から車椅子を押して、何とかギリギリ入構時間に間に合わせることができた。

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久しぶりに奈良の大仏に出会う。 

 

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レンタカーを戻した八尾で食事をして実家へ。

 

次の日は弟夫婦の自宅でBBQ。

 

母は2日目の朝以降ずっと頭が痛いと言っていたが、最終日の6日は近くのうどん屋まで散歩がてらに車いすで出て、一緒にうどんを食べた。

 

残念ながら、パーキンソンの進行もあって、ほとんど満足に一人で食べることはできなかったが。。

 

体調があまり良くならない母を残し、夕方実家を出る。

 

次の日の夕方、弟から母が高熱を出して病院に連れて行ったとの連絡。

 

次の日、結局入院。

 

車いすながらも少し連れまわしたのがいけなかったのだろうか。

 

今度の連休中、最初予定していたデイケアでの宿泊を止めて僕たちの帰省中実家に戻ることを望んだのは何よりも母だったのだが。

 

正月の帰省の際には、やはり、僕とwifeが実家を後にした直後、母は玄関で倒れ、ヘルパーさんが来るまで動けないままその場にいたという。

 

帰省をするたびに老いが進む母ではあるが、かといって何か別の選択肢があるわけでもなく。。

 

明日の母の日のお祝いは、少し早めにwifeが連休の時に渡してくれていた。 

 

 自らの老いにもあらがえない身で、母の日を迎えるその人の老いを嘆くのはナンセンスということなのかもしれないけれど。。